改築やリノベーションではもう変化についていけない。
だから、ワークスはERPを新築することにした。

2017.03.01

PROFILE

西浦 智博 / Tomohiro NISHIURA

AC-SCM Div. Vice President

2006年新卒入社。主に債権管理機能など会計機能開発に長く従事。2015年にフロントに近いエンジニアとしてHUEプロジェクトにジョインした。以降、ユーザー目線での開発を心がけている。

ERPに限らず、多くの要望を取り入れた製品であればあるほど完成度が高まり、大きな変化を加えにくくなるという側面があります。かつては諦めた機能も最新技術を使えば叶えられる、でも根本的な作り直しが必要。そんな究極の選択を前にしてワークスは、イチから作り直す決断をしてHUEを生み出しました。こうした決断にエンジニアはどう感じ、動いたのか、西浦 智博に聞きました。

改築やリノベーションではもう変化についていけない。
だから、ワークスはERPを新築することにした。

IT業界といっても色々で、受託開発ではクライアントの要望に合わせて案件ごとに設計して開発しますよね。それに対してERPはパッケージで提供するものなので、同じ製品でできるだけ多くのユーザー企業の要望に応えられるように作ります。一社一社の業務と向き合って、世の中みんなが喜ぶ共通の最適解を探して、取り込むことで成長してきたんです。ワークスの製品もそうして愛される製品に育ちました。

でも完成度が高くなると、さらに新しいものを追加するのが難しくなってくるんですよね。業務を回し続けることを重視するあまり、保守的になって大掛かりな変更もできなくなってきていました。小規模な改築やリノベーションを繰り返して要望に応え続けるしかなくなっていたんです。でも、今のITの世界ではマルチデバイスやクラウド対応が当たり前になっています。これを取り入れるには、もう改築やリノベーションでは対応できません。「よく考えたら、基礎は違う構造が良かったんじゃない?」とか「建っている場所自体、もっと違う場所にしたほうが良かったね」っていうくらいの変更を求められているんですよ。

業務をより良くするために、本当はこうしたかった、でも当時は技術的に無理だったので諦めた。そんなことがいくつもありました。それらの多くが、クラウドや分散処理、マルチデバイス対応などで解決できるようになっています。だからそれを取り入れて、ユーザー企業さんにメリットを提供したい。そのためにワークスは、ERPを改築するのではなく新築することにしました。それが、人工知能型ERPシステム「HUE」です。

完成度が高くなると、さらに新しいものを追加するのが難しくなってくるんですよね。だったらもう、建て直してしまおうと(笑)

ユーザーに提供しなければならないのは、機能ではない。
ERPが提供するのは、業務やニーズを満たす体験。

ERPを新築するということは、基礎設計からやり直すチャンスが訪れたということです。それなのに従来と同じ思想で再設計したのでは、せっかくのチャンスを活用できません。そこでHUEでは、機能ごとに開発するという従来の業務用アプリ開発の手法を捨てました。

業務用アプリの多くは、伝票を入力する画面、それを登録・管理するデータベース、承認する画面など、機能ごとに作られていました。数日前に入力した伝票を呼び出して修正したいだけなのに、起票日を指定して伝票番号を検索して入力しなければならなかったり。手元のスマホで数日前のメールを探すのは、Gmailでさくっと検索できるのに、もっと高性能なはずの会社のPCではそれができていなかったんです。

現場のユーザーは、コンシューマ向けアプリで高機能な検索や入力補助に馴染んでいます。UIやUXを練りこまれたアプリを数多く使い、ITの持つ能力も知っています。自分がやりたいことを、直感的にできること。コンシューマ向けアプリでは当たり前になっているそんな体験を、業務の現場にも届けなければなりません。そのためには、業務用アプリも機能単位ではなく、業務やユーザーニーズをベースに設計を考え直す必要があったのです。だからHUEでは、設計思想からすべてやり直しました。

コンシューマ向けアプリでは当たり前になっているそんな体験を、
業務の現場にも届けなければなりません。

追っても追っても遠ざかるゴールを追い続ける。
辛いけど楽しい、そんな時間を共に過ごして成長したい。

ITが進化するだけではなく、ユーザー企業をとりまくビジネス環境も変化を続けます。その中で業務用アプリがどのような体験を届けるのが最適なのか。それを考え続けなければなりません。HUEはクラウドプラットフォームを採用したので、技術の進化にもユーザー企業のニーズの変化にも柔軟についていける基盤を得ました。しかも、HUEの前身である「COMPANY」で得られた多くのフィードバックを最初からいかせるうえ、クラウドなので新機能を限定公開してフィードバックを得ながら開発することもできます。

あとは、用意された環境でトライ&エラーを繰り返すだけなんですが、これを続けられるエンジニアは限られるかもしれません。トライ&エラーをある程度繰り返すと、いつかは当初の目標を達成します。そこで満足してしまうエンジニアでは、ダメなんです。製品をより良くしたい、自分の技術力をもっと高めたい。そんな思いのあるエンジニアならわかると思いますが、トライ&エラーを繰り返しているうちにもっとできる、もっといい方法があるとわかってきて、ゴールはどんどん遠のいていくんです。

言ってみればHUEの開発は、遠ざかり続けるゴールに向けて自分と製品を成長させ続ける修行のようなものです。辛い道ですが、そこで得られる成長と成果を楽しめる人が、強いエンジニアなんだと思います。辛いけれど、楽しい。そう思えるエンジニアにとっては、新しい技術をどんどん取り入れてトライ&エラーを存分にやれる今のワークスは、楽しみながら力量を伸ばせる職場になると思います。

できるエンジニアほど、満点だと思っていた地点にたどり着くと、ゴールがまた遠ざかっているものです。繰り返しているうちに、製品も自分も成長している。トライ&エラーは辛いけど、楽しい。そう思える人と働きたいですね。

PREV

多様化する開発現場で生き残るためエンジニアは
ダイバーシティを受容し、コミュニケーション能力を磨いている。

NEXT

業務のあるべき姿、ユーザーに提供すべき体験を描き、
それを実現するためのアプリを考える「カタログ設計」。

© Works Applications Co.,Ltd.