業務のあるべき姿、ユーザーに提供すべき体験を描き、
それを実現するためのアプリを考える「カタログ設計」。

2017.03.01

PROFILE

佐崎 傑 / Takashi SAZAKI

HR Div. Vice President

2008年、新卒で入社。2013年までは、人事系システムのコンサルティングや開発に携わっていた。第1号開発者としてプロトタイプ開発からHUEプロジェクトに参加し、人事系機能の立ち上げから開発に従事する。

最新技術を学び、それを業務に活かすのはエンジニアとしての醍醐味です。しかしそれに振り回されては、独りよがりの製品しか作れません。ERPで提供しなければならないのは機能ではなく、より効率的な業務という体験です。そのためにHUEの開発現場では「カタログ設計」という手法を取っています。どのような手法で、どのようなメリットを得られるのか。エンジニアの佐崎 傑に聞きました。

業務のあるべき姿、ユーザーに提供すべき体験を描き、
それを実現するためのアプリを考える「カタログ設計」。

ワークスは人工知能型ERPシステム「HUE」の設計に「カタログ設計」という手法を取り入れています。現場のユーザー、一人ひとりが抱えている業務上の問題は何か、問題を解決した先の理想の状態・ユーザー体験はどうあるべきかを最初にデザインします。その理想の状態に近づけるための手段として、必要な技術を探してアプリに落とし込んでいきます。新しいERP製品であるHUEではクラウドプラットフォームを採用したり、AIによる業務支援を組み込んだりと技術的な観点から注目している人もいますが、技術ありきで作られた製品ではなく、ユーザーに最大限のメリットを提供するため、理想の業務を実現するために必須となる技術的なチャレンジに取り組んでいる製品なんです。

また、HUEではカタログ設計で描いた理想像を「事実」を元に検証・改善を繰り返します。コンシューマ向けアプリの開発と同じように、素早いサイクルでリリースを繰り返し、ユーザーフィードバックを元に機能の方向性や細かな使い勝手を改善していきます。従来の業務アプリの世界で一般的だったウォーターフォール型開発の弱点を克服して、コンシューマ向けアプリのように使いやすく、進化し続けるERPを目指しています。

もちろん、技術的な実現性が無くては最終的な機能のデザインは不可能なので、HUEの開発ではプロダクトデザインに強い人と要素技術に強い人の両方が求められます。日本のBtoBサービスの開発ではこれまで求められなかった高度なスキルセットがエンジニアに求められています。

機能ではなく体験を届けるというのは、コンシューマ向けアプリでは当たり前になりました。同じことを実現するために、業務アプリのエンジニアに求められるスキルセットも変化をしていると感じます。

カタログ設計の軸がブレなければ、技術の流行りに振り回されることはない。

実は私自身は、HUEのプロダクトデザインと要素技術のR&Dの両方を経験しています。立ち上げ時にはカタログ設計、プロトタイプ開発といったプロダクトデザインを担当していたんですが、一度製品開発を離れて、要素技術の研究開発に数ヶ月携わっていました。顧客に届けたいメリットと、それを実現するための技術とを結びつけるという意識を持って、それぞれの要素技術に対する研究開発を行なっていました。

個別の要素技術に関する研究を行なったことで、達成したい目的から逆算して必要な要素技術をピックアップできるようになったんです。新しい技術を広く学んだことで、客観的な視点を得られたのかもしれません。エンジニアとして使いたい技術や面白いと思う技術もありますが、それに振り回されないこと。それが一番大事です。そして、その軸がブレないようにするための設計手法がカタログ設計なんです。最初に、ユーザーに提供すべき体験をしっかり見定める。だから、ブレることなく必要な技術が自然と決まってくるんです。

HUEではハイユーザビリティの前提となる一瞬の応答速度を実現するために、クラウド・分散処理・全文検索と言った技術を活用しており、さらなるユーザー体験を提供するAIに対しても機能化を進めています。でもこうした技術の採用は、あくまでもユーザー企業さんのニーズを満たすためのもの。たとえばAIというキーワードは最近バズワード化していますが、そうした流行とは関係ありません。ニーズを満たすより良い技術があれば、AIである必要はないんです。

エンジニアとして使いたい技術や面白いと思う技術もありますが、
それに振り回されないこと。それが一番大事です。

提供したい体験を新しいテクノロジーで実現する。
そのために捨てる勇気を持ったエンジニアになろう。

エンジニアとして使いたい技術よりも、ユーザー体験を実現するために必要な技術を、という話ともつながるのですが、より良い体験を届けるためには捨てる勇気が必要だと最近痛感しています。HUEでは世界初の技術的なチャレンジに取り組んでいるので、至る所で失敗します。開発を進めてみて「これは最適ではない」と気づいたとき、今までの積み上げを捨ててやり直さなければならない状況が度々訪れます。失敗を認めてゼロから再スタートするのは辛い作業ではありますが、勇気を持ってトライし続けられるタフネスを持った人が、優秀なエンジニアになれるのだと思うんです。

失敗したものは捨てなければなりませんが、そこに至るまでに得た技術知識や知見は蓄積されて、血肉となります。失敗は一見無駄に見えるかもしれませんが、トライ&エラーを繰り返した数だけ、強いエンジニアになれるのです。次々と新しいものを取り入れようとしているワークスはいま、そんなトライ&エラーを繰り返せる環境にあります。しかも、すごく向上心の高いエンジニアとともに。

HUEの開発にはインドや上海など、近年急成長を遂げている地域からのエンジニアが半数以上を占めています。成長力のある地域のエンジニアはやはり勢いがありますし、失敗を恐れないんですよね。共に仕事をしていて、大きな刺激を受けていますよ。エンジニアとして成長したいと思っている人は、ぜひ飛び込んできてみてほしいです。もし、外国語のコミュニケーションに対する不安があったとしても、トライ&エラーで解消ですね。

せっかくここまでがんばったのに。そんな気持ちを抑え、ユーザーのより良い体験を優先して捨てる勇気を持つエンジニアが、強いエンジニアとして成長していくんだと思います。

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