IT未経験の人材が着実に成長できる研修。それが「ステップアップ型研修制度」。
―――M.Iさんは現在、熊本オフィスの「ステップアップ型研修制度」の講師を担当していますよね。
M.I.
はい。もともとカスタマーサポート部門でお客様からのお問い合わせ対応業務をしつつ、新入社員のメンターとして、新人の立ち上がりをサポートする仕事もしていました。
その延長で、人材教育・育成に対して「この辺りをもっと改善したい」といった声を発信していたところ、ステップアップ型研修制度の企画・運営に参画してみないか?と声をかけてもらった次第です。
それから研修企画や講師としての準備を始め、2022年の7月に実際の研修運営がスタートしました。
―――「ステップアップ型研修制度」の概要と、研修を始めるに至った経緯、企画にあたっての思いを教えてください。
M.I.
入社後の半年間を育成期間として、ステップアップ型研修と実務を並行して実施します。
カリキュラムは、研修を全てクリアするとIT人材として必要な素養が身に付く内容になっていて、ステージが大きく四つに分かれています。
ステージ1がIT基礎・会計知識。
ステージ2が会計ソフトを使用した経理業務の理解。
ステージ3がプログラム作成を通じたデータベース構造の理解。
ステージ4がITコンサルタントを目指したロールプレイ。
という構成で、各ステージを突破することで次のステージに進める仕組みになっています。
ステージを突破すると、その度に知識やスキルを習得でき、給与が少しずつ上がる、そういった突破型の研修になっています。
こういった研修を始めてみようと思った経緯としては、まず熊本にあるIT企業の採用求人を見てみると、先ほどお二人も言っていた通り、圧倒的に「経験者の募集」が多いという背景がありました。
こういった背景から、熊本県ではIT人材としてのスキル習得を目指す未経験者がキャリアをスタートしにくい状況にあるのではと考えています。
当社のミッションの一つに「クリティカルワーカーに活躍の場を」というものがあるのですが、そのミッション実現に向けても、経験を問わず優秀な人材に活躍できる場所を提供したい、そして優秀な人材の活躍によって社会の発展に貢献する製品・サービスを作っていきたいという思いが強くあります。「IT未経験でも挑戦できる環境」、「未経験からステップアップできる研修」を作りたいと考えたのが、この研修を立ち上げた経緯です。
また、熊本県や熊本市の担当者の方からは「県内のIT人材が少ない」といった課題もうかがっていたので、将来的には「熊本のIT人材育成」という点で地域にも貢献していきたいと考えています。
―――研修の設計は、どのように進めたのでしょうか。
M.I.
先ほどお話しした四つのステージ、各ステージを通してどんな成長をしてほしいか、そのために何をしてほしいかという部分は早い段階でイメージがついていました。
実際に研修に参加する社員が入社してくるまでは、その大枠に沿って、研修資料や課題の作成を行っていきました。研修準備にあたって、開発など、我々カスタマーサポート以外の部門に協力をしてもらう部分もあったので、そもそも「ステップアップ型研修とは?」という概要、目的といった事前情報を社内に伝えながら、関係各所への調整を進めていきました。
―――研修運営のなかで感じるやりがいはありますか。
M.I.
当社の文化の一つとして、「まずは自分で考えてみる、挑戦してみる」といった考え方があると思っています。それは当社の良いところでもあるのですが、一方で「自分で考えること」を重視しているからこそ、新人社員の教育においては、資料が整っていない、フローが明確になっていないなど、確立された教育手法が存在しない部分も正直あると思っています。
教育手法が整っていない環境に新人社員が入って来た場合、その人たちは、様々なキャッチアップを進めるなかで「どこを見ればいいのか分からない」「どうやって動いたらいいのか分からない」と、困る状態になってしまうと思うんです。
正直、自分自身が新人だった時に同様に困ることもありましたし、「自分が新人の受け入れ担当になったときは、そういう状態にしたくない」という思いもありました。
そのように自分が「課題」として認識していた状態に対して、自分で手を挙げて、課題解決へのアプローチができているのは、やりがいの一つでもあります。
それから実際に新人社員が研修を受けて「こういうことを学べた」とか「こういうことができるようになった」と感想を伝えてくれる様子や、実際に成長している様子を見ていると、「自分が設計した研修を通して、IT人材としての素養を身に付けてもらえているんだな」という結果を実感できて、やりがいを感じますね。